【警告】売った実績のない価格を「定価」と呼ぶのはNG。景品表示法上の不当表示に該当する。

こんにちは、牧野真です。

今日は、一般的な商品でなく、電子書籍や情報商材等のダウンロード商品を販売している方にぜひ読んでほしい話をします。

ネット販売でよく見かける表現があります。

「定価10万円ですが、今なら特別キャンペーン価格で5万円!

魅力的に見えますよね。でもこれ、条件次第では景品表示法違反になります。

noteで販売しているとしたら、販売元のnote社に通報される可能性もある。
(本来は価格表示については販売元がチェックすべき項目です)

■ 私が実際に経験した話

これは私が広告担当として働いていた頃のエピソードです。

あるクライアントから、通販で新発売のサプリメントを売りたいという依頼を受けました。クライアントの指示のまま、「定価1万円の商品ですが、今ならキャンペーン価格で先着◎名様に5,000円でご提供します」という広告を新聞に出稿しようとしました。(※価格は実際の価格でなくダミー)

ところが、媒体社から待ったがかかりました。

「優良誤認にあたる」という指摘を受け、その広告は出稿できなかったのです。

理由はシンプルでした。そのサプリメントは新発売であり、「定価1万円」で実際に販売した実績がまったくなかった。つまり、定価販売で一定の期間売ったことがない商品を「定価○○円」と呼称してはいけないのです。

新聞社という大きな媒体社がチェックしていたからこそ未然に防げましたが、チェックなしで世に出ていたら、景品表示法違反として行政処分の対象になっていた可能性があります。

ネット販売では、こうしたチェック機能が働かないケースも多く、知らずにやってしまう方が非常に多いのが現実です。

■ なぜ「定価10万円→5万円」と書いてはいけないのか?

日本には景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)という法律があります。消費者が誤解を招く表示によって不利益を被らないよう守るものです。

その中の「二重価格表示」の規制がポイントです。比較対象として提示する価格(今回の「10万円」)には、実際にその価格で販売されていた十分な実績が必要です。

一度も10万円で売ったことがなければ、それは「架空の価格」とみなされ、有利誤認表示に該当します。「将来的に10万円にする予定」という理由は、法律上の根拠になりません。

■景品表示法は、商品の「形」を問いません。

  • 物理的な本:景表法対象

  • 電子書籍(PDF/Kindle等):景表法対象

  • オンライン講座・動画:景表法対象

  • コンサルティングなどの役務:景表法対象

「データだから定価なんて個人の自由だ」という理屈は法律上通りません。

■ 行政が「実績」を判断する3つの基準

消費者庁が確認するのは次の3点です。これをすべてクリアできて初めて、比較価格として提示できます。

 本当にその価格(10万円)で販売していたか(価格の事実)
 どのくらいの期間、販売していたか(期間の実態)
 どのくらいの数量が実際に売れたか(取引の実績)

「将来10万円にする予定」という計画では、この3つをひとつも満たせません。現時点でその表示をするのは、ブラックに近いグレーな行為です。

■ 違反した場合のペナルティ

「すぐに摘発されないからいいや」と思っていませんか?

特に情報商材・オンライン教材は行政が注視しやすい分野です。「悪質・影響が大きい」と判断されると一気に処分が下ります。

措置命令:
違反事実の公表と再発防止策の実施を命じられます。ネット上で拡散されると、今後のビジネスに致命的なダメージを与えます。

課徴金:
対象商品の売上額の3%を納付します。「売上全体」にかかる可能性もあり、売れてから指摘されると金銭的ダメージが非常に大きくなります。

信用失墜:
「不当表示」のレッテルを貼られると、電子書籍・情報商材の領域では事実上の営業停止に等しい影響が出ます。一度失った信頼は取り戻せません。

■ では、どう書けば合法で魅力的か?

「将来的に価値が上がる」「今なら先行者メリットがある」という事実は変わりません。嘘なく伝える表現に変えるだけで、法律を守りながら十分な訴求力を持たせられます。

【案A】段階的値上げを予告する(王道)

「現在の先行販売価格:50,000円」として提示し、「本教材は順次アップデートを予定しており、コンテンツの追加に伴い最終的には100,000円まで値上げします。今お求めいただいた方は、追加料金なしで今後のアップデート版をすべて受け取れます」と明記します。

「定価」という言葉を使わず、コンテンツ拡充に合わせた価格改定を明記するのがポイントです。将来の値上げは「予告」であり、「架空の価格」ではありません。

【案B】モニター・早期割引として打ち出す(実は最強)

「リリース記念:第1期モニター価格 50,000円(限定30名様、または○月○日まで)。規定数に達し次第、通常価格100,000円〜へ移行します」という形です。

「値引き」ではなく「先行者メリット」として訴求するこの方法は、案A以上に売れることがあります。消費者は「値引きされた感」より「先に知っていた優越感」に動かされやすいからです。

■ 長く売れる人が必ずやっている「価格設計の正道」

「10万円→5万円」と書きたくなる気持ちはわかります。でも、それは短期の売り方です。情報商材・オンライン教材の領域では、信頼=売上そのものです。

長く売れる人が必ずやっていることは3つです。

まず「適正価格」として提示する。

先行販売価格・モニター価格として現時点での適正価格を出します。「なぜ今は安いのか」の理由を明確に書くことで、信頼が生まれます。

次に、実際にコンテンツを充実させ、価格を上げる。
アップデートのたびに本当に値上げします。これを繰り返すことで「本当に上がっている」という実績が積み上がります。

そして実績ができてから、初めて二重価格が使えるようになる。
過去に実際に高い価格で販売した実績があれば、「以前の価格○万円→現在○万円」という表示が合法になります。これが「使う資格を得た状態」です。

「10万円→5万円」はダメではなく、「まだ使う資格がない表現」です。先に実績を作れば使えます。現時点では避けるべき——それがプロの判断です。

■ 今日のまとめ

「10万円のものを5万円で買える」という見せ方ではなく、「今なら5万円で、将来10万円以上の価値になる情報を先行入手できる」という成長型の商品として訴求する。

これが、法律を守りながら顧客との信頼を構築し、長期的な利益につながる販売戦略です。

まずは「現在の適正価格」として5万円を提示し、アップデートのたびに実際に価格を上げていく実績を積み上げることから始めましょう。

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