ChatGPTの導入で制作時間を「5日から半日」に短縮
牧野真です。
毎日新聞に、AIを活用した地方の中小企業の最新事例が掲載されていました。
福島市の「福島カラー印刷」が、ChatGPTの導入で制作時間を「5日から半日」に短縮したとのこと。
同社では、クライアントとの打ち合わせ内容を音声で記録し、それをAIで文字起こし。ChatGPTがその情報を整理・構造化して、チラシやカタログのたたき台(ラフ案)を自動生成する仕組みを導入。
これにより、デザイナーは最初から「本質的な作業」に集中できるようになり、従来の5日以上かかっていた作業が半日で完了するようになった。
広告業界出身の私から見た、この事例の価値
これは、とても良い試みです。中小企業の事例だからこそ、意味があります。
チラシやカタログなどのデザインや印刷の仕事は、本当に大変です。
人手間もかかるし、テレビ媒体とは違って、制作費も高くない。
徹夜で仕事をこなす時もある。
印刷の工程を分解し、ChatGPT等のAIが得意なことを任せて、人間は大事な作業に集中する。
このようなAIの使い方により、従来の無駄が多い作業工程を大幅に効率化する。
デザインの見本案(初動作業)も、過去のデータをAIで情報整理してクライアントに見せるなどができるはずです。
◆ 現場の声:「熱量が冷めないうちに」
デザイナーの橘内菜奈さん(26歳)は、「コンセプトをすっきり整理してくれて動き出しがスムーズになった。熱量が大事なので冷めないうちにデザインに入れるのはありがたい」と述べています。
AIの導入によって「人の力」が奪われるのではなく、むしろ本来の創造性や人間らしさに注力できるようになる──それが、今回の事例の本質です。
◆ ChatGPTの活用範囲は、さらに広がる
同社では現在、以下のような領域でもChatGPTの導入を進めています:
社内の就業規則に関する問合せ対応
顧客対応メールの下書き生成
Webサイト更新用の原稿作成
社内提案資料の構成案づくり
代表の渡辺泰子さんは、「空いた時間で、より深い意思疎通や提案のブラッシュアップができる。
AIで人間の時間を取り戻したい」と語っています。
◆ まとめ:地方発、AI導入のリアル
ChatGPTのような生成AIは、もはや大企業だけのものではありません。
むしろ、柔軟性のある中小企業こそ、実務にフィットした形で導入できる可能性が高いです。
今後、こうした「人間とAIの協業」は、印刷や制作の現場だけでなく、あらゆるビジネスの現場に広がっていくでしょう。
中小企業だからこそできる、小さくて大きな一歩──福島から始まったこの事例は、その象徴かもしれません。
✅あなたの職場でも、ChatGPTで変えられる業務があるかもしれません。
「これはウチにも応用できるかも…」と感じたら、ぜひコメント欄で教えてください。
<ニュース記事抜粋>
印刷物などのデザインの打ち合わせ。顧客との会議には営業担当者、
デザイナーらが参加。議事録や資料をまとめてデザインチームに渡し、
チームが検討を重ねてデザイン案を作成し、顧客に渡すのに5日以上はかかっていた。これを、録音データから別のAIが文字起こしした文章をチャットGPTに入力して概要を指示すれば、
デザインやコンセプトのたたき台を生成。人の手でブラッシュアップすれば作業は半日で終わる。
「もう元には戻れない」と渡辺さんは舌を巻く。デザイナーの橘内(きつない)菜奈さん(26)は「コンセプトをすっきり整理してくれて
動き出しがスムーズになった。熱量が大事なので冷めないうちにデザインに入れるのはありがたい」と喜ぶ。他にもサイトのプログラム修正や就業規則の問い合わせへの自動応答などに活用を始め、
渡辺さんは「できた時間は、お客様としっかり意思疎通してデザインを磨き上げるなど
人間にしかできないことに充て、質の高い仕事につなげたい」と強調する。
ニュース記事出典元
チャットGPTでデザイン作成5日→半日 福島の企業「元に戻れぬ」(毎日新聞)